指の温度

ワイングラスを置いた音が、やけに大きく響いた。
ホテルの窓から見える夜景が、部屋の静けさを強調している。
彼の指が、私の首すじにふれた。
その温度に、鼓動がひとつ跳ねる。
「…緊張してる?」
「してないって言ったら、嘘になるかも」
笑って答えたけれど、本当は、指先ひとつで息を飲んでいた。
ドレスの背中のファスナーが、ゆっくりと降ろされていく。
肌に触れる空気が変わるたび、心まで脱がされていくようで、怖くて、でも嬉しかった。
肩からずり落ちた布のすき間に、唇がふれた。
その柔らかさに、声が漏れそうになる。
「…ダメ、まだ…」
言いかけた瞬間、唇で遮られる。
そのキスが深くなるたび、抗う気持ちは薄れて、
私はただ、彼の指の温度にすべてを委ねていた。
ワイングラスを置いた音が、やけに大きく響いた。
ホテルの窓から見える夜景が、部屋の静けさを強調している。
彼の指が、私の首すじにふれた。
その温度に、鼓動がひとつ跳ねる。
「…緊張してる?」
「してないって言ったら、嘘になるかも」
笑って答えたけれど、本当は、指先ひとつで息を飲んでいた。
ドレスの背中のファスナーが、ゆっくりと降ろされていく。
肌に触れる空気が変わるたび、心まで脱がされていくようで、怖くて、でも嬉しかった。
肩からずり落ちた布のすき間に、唇がふれた。
その柔らかさに、声が漏れそうになる。
「…ダメ、まだ…」
言いかけた瞬間、唇で遮られる。
そのキスが深くなるたび、抗う気持ちは薄れて、
私はただ、彼の指の温度にすべてを委ねていた。