私の唯一の不思議体験

お題：お盆ですね！ちょっとゾッとした話ありませんか？





お、ホラーか


体験談だよねー…




そうしたらあれだけかな





もうかなり前なんだけど、
私が高校生の時の話ね




初夏位かな？

部活終わりの放課後に

スクバに着けてた友達とお揃いの

キーホルダーが無いことに気付いたの

手鏡モチーフの色違いで青いやつで

鏡って言っても映らない形だけの可愛いやつ



部活前にはあったからどこかで落としたんだ

部室にも更衣室にも無くて

教室から更衣室までの間に落としたかなって

戻りつつ探してた


夕焼けが少し暗くなったかなって感じの

赤過ぎない位でどこか寂しさ感じる様な

そんな中で手のひらサイズの捜し物



階段の踊り場にも落ちてないし

一階の廊下にもなかったから

教室のある二階かなーって思った



二階に着いて教室を目指してると

人の気配が全くしない

部活後の放課後って言っても進学校だから

居残り勉強とかしてたりとかするんだけど

珍しく自分の教室に着くまでの間

誰にも会わないし他の教室にも見かけない

「おお、初体験⋆✦」

とかズレた事を思ったの覚えてる



教室について電気をつけて探すと

友達の机の横の床に落ちてたから

拾って壊れたり傷とかないかなって

確認しようと拾って見てみたら





私の驚いた顔が映ってるの

映らない銀紙のはずなのに





ただのモチーフ、入ってるのはちゃちな銀紙

映そうにも何も映らないおもちゃ

だった筈なのにその時は普通の鏡みたいで

あれってなったよ

本当に自分の落としたものかって

裏返してみて確認した

間違いなく自分の落としたキーホルダー



でも不思議と怖くないんだ

私がゼロ感だからなのかは分からないけど

嫌な感じも何も無い

不思議だなぁって思ったけど次の瞬間








いきなり真っ暗になった






慌てて窓を見たら何故か夜





教室は電気をつけてたんだけど

電気のスイッチのある方から声が聞こえた

いたのは学校にいる事務員さん

「どこに隠れてたんだ？
それよりもこんな時間になんでいるんだ？
忘れ物ならちゃんと用紙書いてってね」

「え？」



ぱっと時計を見たら21時



私が部活が終わったのが18時過ぎ位




何でって思った

軽くパニックになりそうだった

体感は20分にも満たない

なんでこんなに時間が過ぎてる？

私がおかしくなったの？

ってぐるぐる頭で考えた



「とりあえず忘れ物取ったんなら
事務員室まで戻ろうか」

それで事務員さんと一緒に事務員室に行って

忘れ物用紙的なの書いて

「今度から恥ずかしくても隠れて行かずに
ちゃんと用紙書いてって」

と叱られてから、下駄箱まで送って貰った

靴を履き替えるその時に

ポケットに入れてたキーホルダーが落ちた

その時に気付いた





落としたキーホルダーが

ただのキーホルダーに戻ってた





あの不思議な時間で映った鏡は

ただの銀紙に戻ってた





あれはなんだったのかなって

その年のお盆におばぁに話してみた




「もしかしたら神様の戯れかねぇ」




ってさ


「もしかしたら神様の空間にでも
紛れ込んでたのかねぇ
つばさは素直な子だからさー」

っておばぁは笑ってた



今でもあの時の不思議な感覚は

鮮明に思い出せる

怖くなかった事も銀紙が鏡になったのも

時間の流れがおかしかった事も


あの時、もしかしたら本当に

神様が遊んでいたのかなぁって思う





怖いというよりも

私が体験した不思議な話







お兄さん達は不思議な体験、
した事ある