実験報告:感情は再現性なし

皆さま、ご機嫌いかがでしょうか。

昨日の“現場”では、なかなか興味深い現象が観測されました。



仮説：
「人のぬくもりに慣れることはできるのか？」




結論から申し上げますと、どうやら私はまだその再現条件を確立できておりません。

Mットの上で交わされる一瞬の空気、バスタオルを受け取る指先の圧、浴室のガラス越しの視線——

どれも初期条件が毎回異なっていて、実に実験者泣かせです。




それでも私たちは、毎回、ゼロから立式し、そこに“ふたりだけの一時関数”を描いていくのです。
終点は決まっているのに、その軌道は無限に分岐している。まるで量子系における軌道の重ね合わせ。



帰り際に「ありがとう」とおっしゃる声の響きも、毎回微妙に波長が違います。

ある時は短波で、さらりと去り、
またある時は低周波のように、じんわり胸に残る。




それらを“好き”と名付けてしまえば簡単なのですが、私はその言葉の雑さにまだ抵抗があります。
“好意”とはもっと複雑な粒子で、観測されるたびに性質を変える——

そんな気がしてなりません。





今日もまた、再現性なき感情の実験を、
淡々と、そしてちょっと楽しみながら繰り返していく所存です。





莉瑠🐈‍⬛🎀